ソニー有志アルムナイ1,000人規模の立ち上げ秘話 – 発起人 高橋龍征氏が語る

企業の卒業生コミュニティ「アルムナイ」が近年注目を集めております。優秀な人材を輩出している企業ほど、在籍中の貢献はもちろん、卒業後のOB・OGの活躍にも目が向けられているのであります。
本日は、1,000人規模のソニー有志アルムナイを立ち上げ、さらには企業アルムナイ運営者のコミュニティ組成にも携わる高橋龍征氏に、立ち上げの道のりと極意を語っていただきました

■ソニーでの経験を基に、アルムナイの必要性を確信


高橋氏は2008年にソニーに中途入社し、事業戦略と渉外を担当。2013年に独立した後も、ソニーの社内コミュニティ活性化のアドバイザーを務めるなど、現役とOBOGの双方の目線を持ち合わせています。
「私自身、ソニーで多様で優秀な方々と出会い、刺激を受けると同時に、『この力を卒業後も何らかの形でつなげていけないか』と考えるようになりました。昨今のキャリアの流動化を踏まえても、アルムナイの必要性を強く感じておりました」と高橋氏。大学のOBOG会運営経験もある同氏は、ソニーという「人材の宝庫」の可能性を信じ、立ち上げを決意したのです。

■公式性、持続可能性、実利性の3点にこだわる
とはいえアルムナイ立ち上げは簡単ではありません。参加者のモチベーションを維持し、継続的に価値を提供し続けるには周到な準備と実行力が求められます。
高橋氏がこだわったのは、「公式性」「持続可能性」「実利性」の3点です。「公式性を持たせることで信頼感を担保しつつ、かといって会社のルールに縛られすぎず、スピード感を持って運営できるバランスを目指しました。持続可能な仕組みを作り、実利につながる活動を行うことが、アルムナイの生命線になると考えたのです」
特に意識したのは、「ヒエラルキーを引きずらない」「特定の有名人に依存しない」「懇親のみに終始しない」といった点。現役時代の上下関係を残したり、大物頼みで固めたり、単なる飲み会になってしまっては本質的な価値創造は難しい。高橋氏は未来志向の文化を創ることにこだわったのです。

■参加者の声に耳を傾け、数を打つ
始動してからは、参加者との関係構築に注力しました。オンライン交流会や企画検討会議、アンケートなどを通じて生の声を吸い上げ、ニーズに応えるイベントを次々と企画。「アルムナイは会社ではなく、指示ではなく提案で人を動かすことが肝要」と高橋氏。
面白いのは初期の「呼び水」の演出。「投稿には必ずコメントし、マッチング創出のために裏で手を回すなど、『ここでアクションするといいことがある』と思わせる仕掛けを意識的に行いました」。イベントを繰り返し、仮説検証とブラッシュアップを怠らない。そうした積み重ねが功を奏し、わずか1年で参加者を1,000人にまで拡大したのです。

■自走・仕組み化・自己変革が持続のカギ


アルムナイを持続可能にするには、「自走」「仕組み化」「自己変革」の三位一体が欠かせません。参加者自らが活動を創り、主催者が代わっても回る仕組みがあり、環境変化に合わせて形を変えていける柔軟性を備えること。
そのためには、活動指針やルールの言語化、文化の醸成、実践を通じた人材育成に取り組む必要があります。高橋氏は「思いを言葉にし、自ら行動で示すこと」「判断基準を明文化し、実効的な仕組みを整えること」「実践を通じてスキルと考え方を伝承すること」の重要性を説きます。

高橋氏の信念と行動力が、ソニー有志アルムナイをここまで発展させたと言えるでしょう。本質的な価値の創出を追求し続ける姿勢は、志のある企業人なら見習うべき点が多々あります。
今日、転職は当たり前になり、副業や複業も広がりを見せる中、キャリアの形は多様化の一途をたどっています。そうした時代だからこそ、「所属」を超えたつながりの可能性は計り知れません。ソニー有志アルムナイのような「志」と「実力」を併せ持つアルムナイが、今後ますます日本で広がっていくことを期待したいと思います。

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