就活解禁日とは?
新卒採用における企業の宣伝が可能になる「就活解禁」は、24卒や25卒の学生にとって、3月1日が注目の日となります。これは経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)が定めたもので、企業がこの日を基準に就活のスケジュールが組むことで、学生が円滑に就職活動を進めながら学業にも集中できるよう配慮されたものです。
経団連のスケジュールでは、就活解禁後に採用活動を開始することになっていますが、実際には3月1日より前から採用に関する情報が公開されることも多いです。特に、合同説明会や企業説明会、エントリーや説明会への予約の機会は多く見受けられます。これは、25卒から新たに導入された「採用直結型インターンシップ」による影響を含め、新卒採用の時期が早まったためです。
また、広報解禁となる3月1日より前に選考が行われる場合もあります。株式会社ジェイックの調査によれば、25卒の採用では、広報解禁となる3月1日より前に内定出しを開始予定の企業は約半数(48%)。
したがって、広報活動が一斉に解禁されるのではなく、企業ごとに説明会やエントリーシートの受付が進行していくことに留意して、早めに動き出すべきです。
就活、みんなどこまでやってる?
では実際のところ、近年の学生は就職活動においてどのようなスケジュールで、どんな準備を進めているのでしょうか?
先輩の動き、気になりますよね。
ここでは、HR総研と楽天みん就が共同で実施した調査の結果をもとに、2024年卒学生の就活動向を見ていきましょう。
2024年卒学生のデータをみてみよう!
調査の結果によると、24卒の学生では、文系学生の約18%、理系学生の約24%が「学部3年生5月以前」に就職活動を始めていたようです。
しかし、「学部3年生6月」までの期間では、文系学生の約43%、理系学生の約45%が就職活動を行っています。これは、多くの学生がこの時期から夏のインターンシップへの参加を検討し始めていることを示唆しています。
「就活」とは?具体的には何をしていた?
24卒学生が2023年3月までに「既に就職活動として行った行動」としては、「リクナビ」「マイナビ」などの就職ナビサイトへの登録と答えた学生が最も多く、文系学生では92%、理系学生では96%でした。
次に多いのは、「インターンシップへの応募・参加」であり、文系学生の場合は71%、理系学生では80%が該当します。これらの項目については、文系と理系の間で顕著な違いは見られません。
一方で、「企業の選考面接」や「企業の採用適性検査受検」に関しては、文系学生では48%が3月時点で実施済みであったのに対し、理系学生では61%、60%がそれぞれ実施しており、理系学生の方が早い段階で選考プロセスに進んでいる傾向があるとわかります。
インターンシップの参加状況
24卒学生の2023年3月時点でのインターンシップ参加状況をより詳しく見ていきます。
対面型の場合、「0社(応募しなかった)」の割合は、文系が29%で3割、理系が21%で2割となっています。一方、オンライン型ではこの割合が文系・理系ともに同等で、それぞれ5%未満となっています。
対面型の参加企業数では、文系・理系ともに「1社」と回答した学生が最も多くなっており、それぞれ21%、27%を占めています。一方、オンライン型では文系・理系ともに「4〜6社」が最も多く、それぞれ15%、23%を占めています。
25卒からは「採用直結型インターンシップ」が正式に解禁されます。インターンへの応募・参加は、今後より一層、就職活動において大きな意味を持つようになるでしょう。
マイナビ・リクナビ頼りはもう古い!?活用していたサイト
24卒の学生が「就職活動に利用している就職ナビや逆求人型サイト」としては、最も多く利用されているのは「マイナビ」です。文系・理系ともにそれぞれ71%、63%がこのサイトを利用しています。その後、「楽天みん就」が文系56%、理系61%で2番目に多く利用され、「リクナビ」が文系55%、理系54%で3番目に利用されています。さらに、理系では「ONE CAREER」も61%で同率3位になっています。
一方で、「利用している中で、最も活用している就職ナビや逆求人型サイト」に関しては、文系では「マイナビ」が48%、理系では28%となりました。2番手につけた「ONE CAREER」は理系の割合が文系より高く、文系17%に対して理系22%となっています。3番目の「リクナビ」は文系8%、理系11%と、他のサイトと比べて大きな差があります。
ランクインした他のサービスには「キャリタス就活」「Offer box」「Open Work」などの新興サイトがあり、近年はマイナビ、リクナビ以外のサイトも活用しながら就職活動を進めている学生も多い事実がわかります。情報量で周囲の学生から遅れを取らないように、新興サイトも含めて幅広く見ていくようにしましょう。