「有給インターン」の存在をご存知ですか?
有給インターンは、活動に応じて報酬が支払われるインターンです。
インターンとして経験を積むだけでなく、給与まで支払われるとしたら、お得に感じますよね。
しかし、大手の求人情報サイトであるマイナビやリクナビを見てみると、無給のインターンが圧倒的に多い状況があります。
なぜ、無給と有給の二つのタイプのインターンが存在するのでしょうか。
その答えは、無給インターンと有給インターンは共通の「インターンシップ」という名前を冠していますが、その内容がまったく異なるためです。
内容の違いが、給与の支払いの有無に大きな影響を与えているのです。
ここでは、有給インターンと無給インターンの内容の相違点に焦点を当てて見ていくとともに、有給インターンの一般的な給与の相場についても詳しく解説していきます。
無給インターンの特徴
無給のインターンは、通常1日から1週間ほどの短期間のものが一般的です。
これらの短期インターンは主に体験型であり、実務を伴わないケースが大半です。
代表的な短期インターンの形態としては、ワークショップや説明会の延長のようなものが挙げられます。
このため、企業としては給与の支払いを行う必要性が低いとされています。
新卒採用サイトであるマイナビやリクナビで見られるインターンの募集では、短期かつ無給のインターンが多く存在します。
学生たちもこれを就活の一環として捉えているため、給与を求める志願者は少ない傾向にあります。
主な対象は大学生であり、企業も就活の一環としてこれらの短期インターンを実施することが一般的です。
有給インターンの特徴
有給インターンシップは、通常、無給インターンよりも長期間にわたるものが一般的です。この長期性が、実務経験に焦点を当て、単なる仕事体験を超えた価値を提供しています。
長期インターンシップでは、参加学生は実際の業務を担当することになるため、単なる勉強では得られない貴重な経験が得られます。インターン期間は具体的に定められていない場合が多く、多くの企業が3ヶ月以上を求めています。
例えば、営業の場合は実際に顧客対応を行ったり、事務職の場合は営業資料の作成や電話対応などが具体的な業務内容として挙げられます。インターン生は会社の一員として責任を持って様々な業務に携わるため、給与が発生するのは理にかなっています。
給与の支払い形態には時給、日給、月給、成果に応じた完全出来高制などがありますが、一般的には時給がメジャーです。大学生にとっては、アルバイトとの共通点が多く、報酬の支払い方法が理解しやすいでしょう。
また、全学年の大学生を募集対象にしている企業も多く、そのような企業では、既に他社から内定を得ている大学4年生も歓迎する姿勢を見せています。このような長期有給インターンは、学生にとって貴重な職場体験の機会となり、企業にとっても将来の優秀な戦力を発見する機会となることが期待されます。
アルバイトとは何が違う?
では、有給インターンとアルバイトはどう違うのでしょうか。
どちらも働いた分に応じて給与が支払われるという点では全く同じ特徴を持っています。
ここでは、インターンシップとアルバイトの違いについても詳しく解説していきます。
時間の融通が効くかどうか
大学生は通常、授業やサークルなど学生生活に割く時間を確保しなくてはならないため、労働時間の柔軟性は勤務先を選ぶ上で重要な要素となります。
有給インターンはアルバイトに比べ、より柔軟にスケジュールを調整できる傾向にあります。
この柔軟性の差は、企業の目的の違いによって生じるものです。
アルバイトを募集する企業の視点では、主に労働力を確保することが最優先であり、大学生に対する特定の要件はあまり重要ではありません。
そのため、例えばフリーターやパートタイムの従業員など、より多くの時間や日数を確保できる人を優先する傾向があります。
一方で、有給インターンにおいては、メインの応募対象が大学生であることが一般的です。
そのため、授業や試験の予定を考慮した上の、柔軟なスケジュール感での応募を受け付けているため、大きな融通が利くのです。
週2日からの勤務が可能なインターンも存在し、これにより授業のコマ数が多く、忙しくなりがちな大学1年生や2年生でも参加しやすくなっています。
学生が参加する目的と意欲の違い
アルバイトを検討する際、主な動機はおそらく経済的な要因でしょう。
大学生になると、交遊費や生活費などの支出が増えるため、お金を稼ぐ必要性が高まります。
一方で、有給のインターンには、自己成長やスキルアップを目指して参加する学生が多いです。
学生時代から社会人の仲間入りを果たすことで、ビジネススキルやビジネスマナーを身につけたいと願う学生が増えているようです。
将来の就職活動を見据えるなら、有給のインターンシップで得られる経験は確実に役立ちます。
より自分のキャリア形成のために意義深い活動を望む学生は、有給インターンに参加することを検討してみる価値があります。
有給インターンが内定獲得に直結することも!?
一部の企業は、有給インターンを新卒採用の一環として位置付けています。
有給インターンとして一定期間以上働いた、能力ある学生には、採用プロセスでの優遇があることもあります。
就職活動を行う際、すでに内定を手にしているという心の余裕は非常に重要です。
また、有給のインターンシップに参加すれば、その後企業に入社する際、入社後の適応に不安を抱くことも少なくなります。
職場の雰囲気や業務内容を事前に把握し、入社の決断をすることができるため、これは非常に安心感をもたらすポイントです。
企業目線での有給インターンのメリットとは?
これまでの説明から、有給インターンは大学生にとって素晴らしい制度であると感じられるでしょう。
報酬を得ながら社会経験を積むことができる、まさに一石二鳥の機会です。
一方で、企業は学生に対して報酬を支払いながら仕事を指導するという不均衡な構造となっています。
なぜ企業は、学生にとってこのような多大なメリットのある制度を採用しているのでしょうか?
その理由について考察してみましょう。
新卒採用につなげることができる可能性がある
長期間のインターンを経験した学生の中には、その企業で新卒としてのキャリアをスタートさせる選択肢を採る者もいます。
多くの有給インターンを提供する企業は、通常、ベンチャー企業であり、それゆえに大手の求人サイトでは見過ごされがちです。
そのため、企業は求人サイトに頼らずに、長期の有給インターンの経験を通じて学生を惹きつけようとしています。
実際に学生が業務に取り組む姿を見てから、その学生に内定を出すかどうかを判断することができるため、両者のミスマッチの可能性を軽減することができるのです。
戦力になってくれる人材が欲しいから
エンジニアやデザイナーを募集している企業の間では、即戦力となる中途採用者を見つけることが難しくなっているという話がよく聞かれます。
そのため、一部の企業では、有給のインターンに参加する学生を一定の戦力として採用することを選択しています。
もちろん、これらの企業でも、現時点で戦力が必要な状況にあるだけでなく、将来的には新卒採用につなげたいと考えている場合もあります。
企業の主な目的は、前述の通り、新卒採用につなげることにある場合が多いです。
そのため、企業がインターン学生に支払う給与は、将来の成長を見据えた投資として捉えられることが一般的です。
ただし、学生の皆さんは、企業が新卒採用を目指しているからといって、新卒での入社が確定したわけではありません。
したがって、インターン先での将来の就職は、あくまでも選択肢の一つとして考えておくのが適切な判断であると言えます。
大学生の有給インターン、給与の水準
ここでは、有給インターンでの一般的な報酬の水準についてお話ししましょう。
有給インターンでは、報酬の支払い方法として次の4つの方法が一般的です。
- 時給
- 日給
- 月給
- 成果に応じた出来高制
時給の平均は約1000円〜1200円程度です。
特に高額ではありませんが、最低賃金を下回る募集は稀ですので、収入としては十分でしょう。
日給や月給も、時給に換算するとほぼ同様の水準である企業が大半です。
アルバイトと比べても大きな差はないので、インターンを始めたら収入が激減するという心配は不要です。
さらに、成果に応じてインセンティブが支給される企業もあり、自分の成果が報酬に反映されることもあります。
この点は、有給インターンでのやりがいに大きく関わる要素だと考えられます。
成果に応じた出来高の企業に関しては、企業ごとにインセンティブの割合が異なるため、平均化することは難しいです。
しかし、優秀な学生の中には、月に50万円〜70万円の報酬を受け取っている方もいるようです。
スキルが向上すれば、報酬もそれに応じて増える可能性がありますので、実力が早急に伸びることも考えられます。
まとめ
有給インターンと無給インターン、そしてアルバイトとの違いをご説明しました。
スキルアップを望む学生や、就職活動を有利に進めたい学生、または大学生活をより充実させたい学生には、有給インターンがおすすめです。
短期の無給インターンシップとは異なり、長期の有給インターンシップは常に募集を行っていますので、興味をお持ちの方は自身に適した有給のインターンプログラムを見つけてみてください。
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